前回の記事では、こども性暴力防止法(日本版DBS)の制度概要について解説しました。
日本版DBSは、こどもへの性暴力を未然に防ぐために創設された制度であり、こどもと関わる事業者に安全確保の体制整備を求める仕組みです。
では、実際に どのような事業者が制度の対象になるのでしょうか。
本記事では、日本版DBSの 対象事業者の考え方 と、対象となる具体的な事業の例について解説します。
日本版DBSの対象となる事業者の考え方
日本版DBSの対象となるかどうかは、次のポイントで判断されます。
こどもと継続的・密接に関わる業務を行っているかどうか
つまり、事業の名称ではなく
- こどもと直接接する業務があるか
- こどもと継続的に関係を持つ事業か
といった点が重要になります。
そのため、同じ業種でも業務内容によって対象になる場合とならない場合があります。
主な対象事業者
ガイドラインでは、こどもと密接に関わる事業として、次のような事業者が想定されています。
学校
学校はこどもと日常的に接する環境であるため、日本版DBSの中心的な対象となります。
- 私立学校
- 幼稚園
- 専修学校(こどもを対象とする場合)
学校では教職員だけでなく、部活動指導員や外部講師なども関係する可能性があります。
学習塾・習い事教室
学習塾や習い事教室も、こどもと継続的に関わる事業として対象になります。
例えば次のような事業です。
- 学習塾
- 英会話教室
- 音楽教室
- スポーツ教室
- プログラミング教室
これらの教室では、講師やスタッフが子どもと直接接するため、制度の対象となる可能性があります。
障害児福祉サービス
児童福祉分野の事業も対象になります。
代表的なものとしては
- 放課後等デイサービス
- 児童発達支援
- 児童養護施設などの児童福祉施設
これらの事業は、こどもと密接に関わる支援を行うため、日本版DBS制度との関係が非常に深い分野です。
子ども向けスポーツ・教育サービス
学校や福祉施設以外にも、次のような事業が対象となる可能性があります。
- スポーツクラブ
- スイミングスクール
- ダンススクール
- 子ども向けイベント事業
こどもと継続的に関わる業務であれば、制度の対象となる可能性があります。
対象になるかどうかの判断ポイント
実務上は、次のような視点で判断します。
- こどもと直接接する業務か
- 継続的に関わる関係か
- 事業としてこどもを対象としているか
このような条件を満たす場合、日本版DBSの対象事業者となる可能性があります。
「義務対象事業者」と「認定事業者」
日本版DBS制度には、事業者の区分があります。
それが
義務対象事業者 と 認定事業者 です。
義務対象事業者は、制度に基づく安全確保措置を実施する必要があります。
一方で、認定制度は希望する事業者が申請する仕組みです。
この違いを理解することが、日本版DBS制度を正しく理解するうえで非常に重要です。
まずは自社が対象かどうかを確認することが重要
日本版DBS制度への対応を検討する場合、最初に行うべきことは
自社が制度の対象事業者に該当するかどうか
を確認することです。
対象事業者である場合には、
- 犯罪事実確認
- 安全確保措置
- 情報管理措置
などの体制整備を進める必要があります。
次の記事について
日本版DBS制度では、対象事業者の区分として
義務対象事業者
認定事業者
という考え方があります。
次の記事では、この
「義務対象事業者と認定事業者の違い」
について詳しく解説します。