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質問:審査で見られる項目と事前に抑えたい注意点は?

回答

審査で見られるのは、「自社のリスクを理解し、実行できる計画として具体的に書けているか」です。
特に、計画の目的、災害等のリスク確認と影響想定、初動対応、ヒト・モノ・カネ・情報への対策、平時の推進体制・訓練・見直しが重要です。あわせて、空欄を残さないこと、実態とかけ離れた内容にしないこと、申請者自身が内容を理解していることも大切です。


解説

1. 審査は「立派な文章」より「自社に合った具体性」が見られる

事業継続力強化計画の審査では、難しい表現を書くことより、自社の事業実態に合った内容になっているかが重要です。中小企業庁の手引きでは、計画作成にあたり、まず「計画策定の目的」から始め、次に「災害等のリスク確認・影響想定」「発災時の初動対応」「ヒト・モノ・カネ・情報への事前対策・事後対応」「平時の推進体制、訓練・見直し方法」という5つの検討事項を通じて作成するよう示しています。つまり、審査ではこの骨格がきちんと埋まっているかが見られます。

言い換えると、審査は作文コンクールではありません。
「何となく備えます」ではなく、「何に備え、どう動き、誰が担当し、どう見直すか」まで落ちているかがポイントです。これは地図を描くのに似ています。見た目がきれいでも、道がつながっていなければ使えません。計画も同じで、実際に使える内容であることが大切です。

2. 特に見られやすい項目

審査で重要になる項目は、まず自社の事業の概要と役割です。手引きでは、自社が何をしている会社かだけでなく、サプライチェーンや地域の中でどのような役割を担っているかを書く例が示されています。続いて、災害・感染症・サイバー攻撃などのリスク確認と経営資源への影響想定発災直後の初動対応、さらにヒト・モノ・カネ・情報への事前対策・事後対応が求められています。

また、初動対応では、手引き上、人命の安全確保、非常時の緊急時体制の構築、被害状況の把握・被害情報の共有が求められると整理されています。さらに平時の運用面では、経営陣の関与、年1回以上の訓練・教育、計画の見直しが重要とされています。審査は提出時点だけの話ではなく、認定後に実行・改善できる設計になっているかまで見られていると考えた方が実務的です。

3. 事前に一番気をつけたいのは「空欄」と「抽象論」

Q&Aでは、申請書は基本的にすべての記入欄を埋める必要があり、該当がない場合も「該当無し」などと記載するよう案内されています。つまり、空欄のまま提出するのは避けるべきです。不明点を残したまま出すと、検討不足に見えやすく、結果として照会や審査の長期化につながりやすくなります。実際、標準処理期間は約45日ですが、申請書に不備がある場合は各地方経済産業局からの照会などで時間を要するとされています。

もう一つの注意点は、内容が抽象的すぎることです。
たとえば「従業員の安全確保に努める」「情報共有を徹底する」だけでは弱く、誰が、いつ、何を、どうするのかまで落とした方が通りやすくなります。審査側が知りたいのは意思表明ではなく、実行の見通しです。

4. 実態とかけ離れた計画は避ける

Q&Aでは、計画があまりにも実態と乖離していた場合には、認定が取り消されることがあると明記されています。一方で、自然災害等の影響により計画を実行できなかったことだけを理由に取り消すものではないともされています。つまり、完璧な結果までは求められていませんが、最初から現実離れした計画を出すのは危険です。

ここはとても重要です。
たとえば、少人数事業者なのに大企業並みの体制を前提に書いたり、予算も人員もないのに大掛かりな設備導入を当然のように書いたりすると、見栄えは良くても実効性に欠けます。自社の規模で本当に回せる内容にすることが、審査でも運用でも強いです。

5. 申請者本人の理解も重要

Q&Aでは、権限のない代理申請が判明した場合は認定を取り消すことがあるとされており、申請者自身が内容を理解・確認し、計画を実行することが求められています。行政書士などの支援を受けること自体は問題ありませんが、丸投げで中身を知らないまま進めるのは望ましくありません。

この点は、実務支援でも大切です。
専門家は整理や言語化を支援できますが、最終的にその計画を回すのは事業者自身です。だからこそ、申請前に「この内容で自社は本当に動けるか」を一緒に確認しておくことが重要になります。

6. 事前準備として何を整えるべきか

申請前には、少なくとも次の点を整理しておくとスムーズです。
自社の事業内容と社会的役割、想定するリスク、被害が出た場合の影響、初動対応の流れ、必要な事前対策、平時の責任者と訓練方法です。これらが整理できていれば、申請書の中身はかなり作りやすくなります。手引きでも、この順番で検討する流れが示されています。

要するに、審査対策の近道はテクニックではなく、自社の弱点と対応方針を先に整理しておくことです。
申請書はその整理結果を書面化するもの、と考えると分かりやすいです。


まとめ

審査で見られるのは、自社のリスクと対応策が具体的で、実行可能な計画になっているかです。主な確認ポイントは、計画の目的、リスク確認と影響想定、初動対応、ヒト・モノ・カネ・情報への対策、平時の推進体制・訓練・見直しです。注意点としては、空欄を残さないこと、抽象論で終わらせないこと、実態とかけ離れた内容にしないこと、申請者自身が内容を理解していることが重要です。

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