これまでの記事では、日本版DBS(こども性暴力防止法)の制度概要と対象事業者について解説しました。
日本版DBS制度を理解するうえで重要になるのが、
「義務対象事業者」と「認定事業者」という区分です。
この区分を正しく理解していないと、
- 認定を取らないといけないのか?
- どこまで制度対応が必要なのか?
といった点で混乱してしまう事業者も少なくありません。
本記事では、日本版DBS制度における
義務対象事業者(学校設置者等)と認定事業者(民間教育事業者)の違いについて分かりやすく解説します。
日本版DBS制度の事業者区分
日本版DBS制度では、こどもと関わる事業者を大きく次の2つに区分しています。
- 義務対象事業者
- 認定事業者
この2つは似ているようで、制度上の意味は大きく異なります。
義務対象事業者(学校設置者等)とは
義務対象事業者(学校設置者等)とは、
学校教育法や児童福祉法等で規定されている者のことです。
例えば次のような事業が該当します。
- 学校
- 認定こども園
- 児童相談所
- 保育所
- 放課後等デイサービス
- 児童養護施設
これらの事業者は、日本版DBS制度に基づき
- 犯罪事実確認
- 安全確保措置
- 情報管理措置
などの体制整備を行う必要があります。
ただし重要なポイントとして、
義務対象事業者であっても、認定申請を行う義務はありません。
制度への対応を必ずしなければなりません。
認定事業者(民間教育保育等事業者)とは
認定事業者(民間教育保育等事業者)とは、
「こども性暴力防止法」に示す要件を満たす事業者のことです。
認定制度は、事業者が希望する場合に申請できる制度です。
認定を受けることで、
- 子どもの安全確保に積極的に取り組んでいる事業者であること
- 制度に沿った体制整備を行っていること
を対外的に示すことができます。
そのため、認定制度は
事業者の信頼性向上のための仕組み
という側面を持っています。
義務対象と認定制度の違い
この2つの違いを整理すると、次のようになります。
| 区分 | 義務対象事業者 | 認定事業者 |
|---|---|---|
| 制度対応 | 必須 | 必要 |
| 認定申請 | 不要 | 必要 |
| 目的 | 制度遵守 | 信頼性の可視化 |
つまり、
義務対象事業者(学校設置者等)=制度対応が必要な事業者
認定事業者(民間教育保育等事業者)=認定を取得した事業者
という関係になります。
多くの事業者は「日本版DBS対象事業者」
実務的には、学校や福祉事業者などの多くは
義務対象事業者として制度対応を行うことになります。
そのため、日本版DBS制度への対応では、
- 認定申請よりも
- 体制整備
の方が重要になります。
制度対応で重要になる「体制整備」
日本版DBS対象事業者は、制度に基づき次のような体制を整備する必要があります。
- 犯罪事実確認の手続
- 安全確保措置
- 情報管理措置
- 不適切事案への対応体制
- 記録・台帳管理
これらは単なる書類ではなく、
実際に運用できる仕組みとして整備することが重要です。
次の記事について
ここまでで、日本版DBS制度における
対象事業者と事業者区分について解説しました。
しかし、制度の中で最も重要になるのは
事業者に求められる 安全確保措置 です。
次の記事では、
「日本版DBSで事業者に求められる安全確保措置」
について、具体的に解説します。