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質問
日本版DBSで照会対象となる性犯罪とは何ですか?

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回答

日本版DBSで照会対象となるのは、ガイドライン上の「特定性犯罪」です。
これは、単に「性犯罪全般」という意味ではなく、法律で明確に定められた犯罪類型を指します。

主なものは、次のとおりです。

  • 刑法の不同意わいせつ、不同意性交等、監護者性交等、わいせつ目的面会要求等
  • 児童福祉法の児童に淫行をさせる行為
  • 児童買春・児童ポルノ法の児童買春、児童ポルノ所持・提供等
  • 性的姿態撮影等処罰法の性的姿態等の撮影、提供、送信等
  • 一定の都道府県条例に基づく痴漢、盗撮、卑わい言動、青少年条例違反などの罪
    です。

つまり、日本版DBSは「何となく問題がありそうな行為」を幅広く見る制度ではなく、法令で列挙された特定の性犯罪を確認対象にする制度です。

解説

ガイドラインでは、特定性犯罪について、法第2条第7項に基づき具体的に列挙しています。まず中心になるのが、刑法上の性犯罪です。具体的には、刑法176条、177条、179条から182条まで、241条1項・3項、243条の一部が挙げられています。ここには、不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ・監護者性交等、わいせつ目的での面会要求等が含まれます。

次に、児童福祉法60条1項の罪が含まれます。これは、児童福祉法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」に対応する処罰規定で、こどもに対する性加害を防ぐうえで重要な位置づけです。さらに、児童買春・児童ポルノ法4条から8条までの罪も対象です。ここには、児童買春そのものだけでなく、周旋、勧誘、児童ポルノ所持・提供、人身売買等まで含まれます。

また、比較的新しい法律である性的姿態撮影等処罰法2条から6条までの罪も特定性犯罪に入ります。これは、性的姿態等の撮影、画像・電磁的記録の提供や保管、送信などを対象にしています。つまり、日本版DBSは、直接的な接触型犯罪だけでなく、画像・記録・送信型の性犯罪も確認対象にしているのが特徴です。

さらに重要なのが、都道府県条例違反も一部対象になることです。ガイドラインでは、条例で定める罪のうち、

  • みだりに人の身体の一部に接触する行為
  • 下着や身体ののぞき見・撮影・撮影目的での差し向けや設置
  • 卑わいな言動
  • 児童との性交やわいせつ行為
    を罰するものとして政令で定めるものが含まれるとしています。千葉県、東京都、神奈川県など各都道府県の迷惑防止条例や青少年健全育成条例も列挙されています。

ここで注意したいのは、照会対象は「児童対象性暴力等」と完全に同じではないことです。児童対象性暴力等は安全確保措置の場面で広く問題となる概念ですが、犯罪事実確認で照会するのは、その中でも法律上定められた特定性犯罪に限られます。例えるなら、学校の生活指導では幅広い不適切行為が問題になりますが、警察への照会対象は刑罰法規に当たるものに限られるのと同じです。

要するに、日本版DBSで照会対象となる性犯罪とは、
刑法・児童福祉法・児童買春児童ポルノ法・性的姿態撮影等処罰法・一定の都道府県条例で定められた、法律上の「特定性犯罪」
ということです。

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