― 中小企業が自社の立ち位置を判断できる早見表 ―
4類型それぞれがどのような課題を持つ企業に向いているのかを具体化したものです。
① サプライチェーン強靱化
| 該当しやすい企業像 | 理由 |
| 海外部品・海外素材に依存している企業 | 輸出規制・地政学リスクで供給停止が発生しやすいため(資料:サプライチェーンリスク) 防衛生産基盤強化法に基づく施策等について |
| 老朽化・製造中止が迫る部品を使っている企業 | 代替部品開発や備蓄が対象経費になる(部品A→B変更など) 防衛生産基盤強化法に基づく施策等について |
| 小規模で在庫リスクを抱えられない企業 | 国の財政支援で備蓄費用を負担できる |
| 多階層サプライチェーンの下流にある企業(2次〜4次) | 防衛省調査で「供給途絶リスクのある企業」と判断されると支援対象に近づく |
中小企業にとっての“制度上の恩恵”
- 備蓄費・国産化設備費・素材研究のような中小企業が最も負担しづらい費用を国が負担
- 「供給が止まる可能性の高い企業」ほど採択可能性が高い
→ 中小・零細にとって実は最も使いやすい類型
② 製造工程効率化
| 該当しやすい企業像 | 理由 |
| 老朽化設備で生産し続けている企業 | 老朽設備→最新設備への更新が対象(資料:老朽化の課題) 防衛生産基盤強化法に基づく施策等について |
| 多品種少量生産で効率化が進まない企業 | 3Dプリンタ等の先端製造技術導入が対象 |
| 検査工程が人手依存の企業 | AI画像検査の導入支援が可能(資料:AI検査例) 防衛生産基盤強化法に基づく施策等について |
| 民生と防衛生産を兼業している企業 | 民需共用の設備も「防需割合」で対象になる(中小企業はこの形態が多い) |
中小企業にとっての“制度上の恩恵”
- 設備導入費を直接支援する珍しい制度(補助金とも異なる)
- 労働力不足の企業でも自動化・省人化投資が現実的になる
③ サイバーセキュリティ強化
| 該当しやすい企業像 | 理由 |
| サイバー対策が最低限レベルにとどまる企業 | NIST相当基準とのギャップが大きく、支援対象となりやすい(資料:新基準) 防衛生産基盤強化法に基づく施策等について |
| 設計図・技術資料など機微情報を扱う企業 | 防衛省が「保護すべき情報」を扱う企業を対象にしている |
| 情報管理が“人依存”になっている企業 | 物理対策・教育費用も対象 |
| プライム企業からセキュリティ基準適合を求められている企業 | 基準未達だと取引継続が困難になるためニーズが高い |
中小企業にとっての“制度上の恩恵”
- NISTレベルを自費で構築すると数百万円〜数千万円
→ 国の支援で初めて到達できる企業が多い - セキュリティ適合は今後「取引要件化する」ため早期対応が有利
④ 事業承継等
| 該当しやすい企業像 | 理由 |
| 既存サプライヤーの撤退により生産を引き継ぐ企業 | 資料でも“撤退時に承継先が必要”と明記(防衛生産基盤強化法に基づく施策等について) |
| ニッチな部品を単独製造している企業 | 技術継承が急務で支援対象になりやすい |
| 若手技術者が不足する企業 | OJT/OFF-JT の訓練費まで支援対象 |
| 民需と兼業しながら防衛事業の拡大を狙う企業 | 設備共用でも防需割合で支援を受けられる |
中小企業にとっての“制度上の恩恵”
- 事業承継は本来最も費用負担が重い領域だが、
→ 国が設備整備・資料取得・教育費を直接支援 - 防衛産業の中で「撤退リスクが最も大きい領域」ほど恩恵が大きい
【総括】4類型×対象企業の位置づけ(早見レーダーチャート)
| 類型 | 対象企業 | 中小企業との相性 |
| ①サプライチェーン強靭化 | 海外依存/多層下請/代替部品必要 | ★★★★★ |
| ②製造工程効率化 | 老朽設備/自動化ニーズ/人手不足 | ★★★★☆ |
| ③サイバーセキュリティ強化 | 設計・データ扱い/基準未達 | ★★★★★ |
| ④事業承継等 | 撤退による引継ぎ/ニッチ部品 | ★★★★☆ |
→ 特に①③は「中小企業こそ使うべき」類型
→ ②④は「技術者・設備を抱える製造系中小」が強く対象に一致
→ ③④は「新規参入企業」も対象
行政書士としての視点:
“どこが対象か分からない”を解消するための支援が必要
中小企業が制度を使えない理由は以下です:
- 「自社が対象なのか」が分からない
- 4類型の境界が不明で、どれを選ぶべきか判断できない
- 計画書(装備品安定製造等確保計画)の作成が極めて複雑
- 防衛省担当者との照会内容のハードルが高い
ここを行政書士が埋めていく必要があります。
◆ アラモード行政書士事務所として支援できること
① 自社のどの類型が最適かを診断(初期スクリーニング)
- サプライチェーン構造
- 設備状況
- 情報管理レベル
- 技術承継の必要性
を整理し、最適類型を明確化します。
② 計画書作成の全面サポート
- 取組目的の整理
- エビデンス収集
- 予算積算
- 防衛省照会対応文書の作成
③ 事業承継・設備導入の法的整理
- 契約関係
- 技術資料の帰属
- 知財・ライセンスの整理
④ サイバー基準適合のための文書整備
お問い合わせ
特定取組の活用を検討している企業様、
装備品製造の継続や新規参入を検討される中小企業様は、
ぜひお気軽にご相談ください。
アラモード行政書士事務所(Office A La MOD)は、
中小企業が防衛産業で確実に前進できるよう、
最新制度に基づく実務サポートをご提供します。