― 装備品製造等基盤強化資金と、行政書士がサポートできること ―
- 制度の概要:中小企業が使える“防衛産業向け長期融資制度”
近年、防衛生産基盤の維持・強化が国家政策として重要視され、令和5年10月より新たな支援策として「装備品製造等基盤強化資金」が創設されました。
この制度は、防衛装備品の製造・研究開発・修理、外国向け装備移転に取り組む中小企業が、長期資金の融資を受けられるようにする仕組みです。
融資を利用するためには、事業者はまず防衛大臣から
「装備品製造等基盤事業者」の認定を受ける必要があります。
● 装備品製造等基盤強化資金のポイント
- 対象資金:設備資金+運転資金
- 貸付限度額: 国民生活事業 7,200万円(運転資金は4,800万円)、中小企業事業 7億2,000万円
- 貸付期間:設備30年以内、運転7年以内
- 申請書を防衛省へ提出し審査(標準処理期間1か月)
装備品を直接製造する企業だけでなく、部品加工・電子機器・材料メーカーなど、サプライチェーンの一部を担う中小企業も対象となり得ます。
- 制度の成り立ち:なぜ防衛生産基盤が「国家的に守るべき基盤」なのか
1 防衛産業が抱える課題
- 自衛隊向けという需要の限定性
- 高い品質管理・セキュリティ要求への対応コスト
- サプライチェーンの多重構造と広範囲化(例:護衛艦8,300社)
- 事業撤退が増加し、供給途絶リスクが顕在化
- サイバー攻撃、外国規制、外国資金リスクなど新しい脅威
2 なぜ国が支援するのか
防衛省は、装備品の安定供給を「防衛力そのもの」と位置づけ、
国内企業が撤退すれば国家安全保障そのものに影響すると明言しています。
そのため、
- 長期融資(本制度)
- 製造設備への支援
- サプライチェーン調査・強靭化
- 装備移転支援(性能変更費用の助成)
など、多角的な政策が整備されました。
今回の認定制度はその柱のひとつであり、国内サプライチェーンを支える中小企業の参入・継続を後押しする仕組みなのです。
- 行政書士として支援できること
(アラモード行政書士事務所・防衛関連専門サポート)
装備品製造等基盤事業者の認定申請は、
事業計画の作成、添付書類の整備、法令確認、許認可有無の判断など、専門的要素が多い手続きです。
資料にも、以下の添付書類が必要とされています:
- 定款、登記事項証明書
- 直近3期の決算書(貸借対照表・PL・事業報告)
- 事業計画が装備品等の製造等に係るものであることを示す資料
- 事業に必要な許認可の証明
- 欠格事由に関する誓約書 など
装備品製造等基盤事業者認定(申請の手引)
これらを踏まえ、行政書士として以下の支援が可能です。
1 装備品関連事業の法令スクリーニング
- 外為法(装備移転該非)
- 武器等製造法・火薬類取締法
- 電波法
- 産業保安・危険物関連法
- 労働安全衛生法(設備導入時)
など、事業計画に必要な法令確認を実施。
2 認定申請書の作成サポート
資料では申請書記載項目が多岐にわたります(事業内容、品目、資金計画、拠点、許認可等)。
特に、
- 事業の目的・市場分析
- 課題と解決策
- 収支見通し
- サプライチェーンの位置付け
などを明確に記載する必要があります。
これらをヒアリングし、審査に耐える事業計画・書面構成を整備します。
3 許認可の確認・取得手続き
事業計画に関連して必要な許認可(例:武器等製造、火薬類取扱、電波法等)がある場合、
取得状況を記載しなければ審査に通りません。
行政書士として、
- 必要許認可の判定
- 追加許認可の申請支援
- 官庁照会の代行
を実施します。
4 添付書類の整理・電子メール提出支援
申請は原則メール添付で行い、件名・ファイルサイズ・分割送付など細かなルールがあります。
事務的ミスで差し戻されるのを防ぎ、確実な提出をサポートします。
5 認定後の事業計画変更・実施状況報告もサポート
認定後は、
- 計画変更(認定申請が必要な場合と届出で足りる場合)
装備品製造等基盤事業者認定(申請の手引)
- 実施状況報告(防衛省からの求めによる報告)
装備品製造等基盤事業者認定(申請の手引)
など継続的な手続きが伴います。
防衛装備庁とのコミュニケーションを踏まえた書面整備もお任せいただけます。
- まとめ:防衛事業は“新しいビジネスチャンス”
防衛生産基盤の強化は国を挙げて推進されており、
中小企業が参入しやすい環境が整備されつつあります。
装備品製造等基盤事業者認定は、
- 新規参入の後押し
- 資金調達の円滑化
- サプライチェーン内での信頼性向上
という大きなメリットがあります。
アラモード行政書士事務所では、元陸上自衛官としての知見と防衛産業専門の知識を活かし、
防衛関連事業を行う中小企業の認定取得から事業計画構築までワンストップで支援いたします。