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質問:そもそもどんな企業が対象なの?認定の条件・期限・審査の注意点を教えてください
回答
事業継続力強化計画の認定対象は、中小企業等経営強化法上の「中小企業者」に当たる企業や個人事業主などです。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下などの基準があります。個人事業主も対象ですが、開業届の提出が必要です。認定計画の実施期間は最長3年で、申請は原則電子申請、GビズIDプライムが必要です。審査では、空欄や記載不足、事業の役割やリスクの書き込み不足、実態とかけ離れた計画に注意が必要です。
解説
1. どんな企業が対象なのか
対象になるのは、まず中小企業等経営強化法第2条第1項の「中小企業者」に当たる事業者です。代表的な基準は、製造業その他が資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下、卸売業が1億円以下または100人以下、小売業が5,000万円以下または50人以下、サービス業が5,000万円以下または100人以下です。政令指定業種として、ソフトウェア業・情報処理サービス業は3億円以下または300人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下などの区分もあります。
対象は会社だけではありません。個人事業主、会社、士業法人、企業組合、協業組合、事業協同組合等も対象になり得ます。個人事業主は開業届が提出されていること、法人は法人設立登記がされていることが必要です。つまり、「うちは法人ではないから無理」とは限らず、小規模事業者でも対象に入る可能性があります。
2. 認定の条件は何か
認定を受けるには、単に申請書を出せばよいわけではありません。中小企業庁の手引きでは、自社が何をしている会社なのかを分かりやすく書き、さらに自社の事業がサプライチェーンや地域経済の中でどのような役割を担っているかまで記載するよう求めています。ここが抜けると、計画書の不備として認定対象にならないとされています。
また、計画には少なくとも、どのような自然災害・感染症・サイバー攻撃等を想定するのか、それが事業にどのような影響を与えるのか、何を守るためにどう備えるのかを具体的に書く必要があります。たとえば自然災害ならハザードマップ、感染症なら事業継続への支障、サイバー攻撃ならランサムウェア等のリスクを踏まえて記載する例が示されています。つまり、審査で見られるのは「制度を知っているか」より、自社の実情に落とし込めているかです。
たとえるなら、これは健康診断の問診票に似ています。名前だけ書いて出しても意味がなく、自分の体のどこに不安があるのかを書いて初めて診断につながります。ジギョケイも同じで、会社ごとの弱点や役割が書けて初めて、認定制度として機能します。
3. 単独型と連携型の違い
申請の入口では、単独型と連携型のどちらでいくかを判断します。自社のみで計画する場合は単独型、複数事業者と連携して計画する場合は連携型です。これは形式の違いではなく、計画の作り方や申請方法にも影響します。
実務上は、まず多くの事業者が単独型から始めます。取引先や協力会社と一緒に対策を組み立てる段階まで進んでいる場合に、連携型を検討する流れが現実的です。最初から大きく構えすぎると止まりやすいので、自社の規模や準備状況に合った型を選ぶことが大切です。
4. 期限はどう考えればいいのか
計画の実施期間は最長3年です。中小企業庁は、たとえば2025年12月から2028年11月までのような形を例示しています。また、認定後に実施期間を延長したい場合は、満了前に変更申請を行えば延長できますが、変更後も含めて最大3年までです。
一番気をつけたいのは、期間満了後は変更申請ができないことです。継続したいなら、新たに計画を策定して再申請する必要があります。2回目以降の申請では、単独型・連携型ともに実施状況報告書が必要です。要するに、認定は取りっぱなしではなく、期限管理が必要な制度です。
5. 申請方法とスケジュールの注意点
現在、初回申請は単独型・連携型ともに原則電子申請です。さらに、電子申請にはGビズIDプライムが必要で、取得には約2週間程度かかると案内されています。ここは見落としやすいですが、実務ではかなり重要です。補助金申請や対外公表のタイミングを見込むなら、GビズID取得を後回しにしない方が安全です。
また、申請から認定までの標準処理期間は約45日です。したがって、「今月中に認定を取りたい」と思っても、GビズID取得期間まで含めると間に合わないことがあります。補助金の加点や設備投資の時期と絡める場合は、少なくとも1〜2か月以上の余裕を持って動くのが現実的です。
6. 審査で引っかかりやすい注意点
まず基本ですが、申請書の記入欄は原則すべて埋める必要があります。任意記載事項や該当がない部分も、空欄ではなく「該当無し」などと書くよう求められています。空欄のまま出すと、読み手から見ると「検討していない計画」に見えやすくなります。
次に重要なのは、実態と乖離した計画にしないことです。中小企業庁Q&Aでは、計画があまりにも実態と乖離している場合、法律に基づき認定が取り消されることがあると明記しています。逆に、自然災害の影響などで実行できなかったことだけを理由に取消しにはしないともされています。つまり、完璧な実行までは求められていませんが、最初から現実離れした計画は避けるべきです。
さらに、権限のない代理申請も注意点です。Q&Aでは、権限のない代理申請が判明した場合、認定を取り消すことがあるとされ、申請者自身が内容を理解・確認し、計画を実行することを求めています。行政書士などの支援を受ける場合でも、名義貸しのような形ではなく、事業者本人が内容を理解したうえで申請することが前提です。
7. 実務で本当に大事な見方
この制度で大事なのは、対象かどうかを表の数字だけで判断して終わらないことです。
本当に見るべきなのは、
- 自社は法上の中小企業者に当たるか
- 開業届や登記など前提条件は整っているか
- 自社の役割やリスクを具体的に書けるか
- 3年以内で実行可能な計画になっているか
- 申請時期に間に合うようGビズIDや電子申請の準備ができるか
この5点です。
要するに、審査の注意点は「難しい専門論点」より、基本事項を具体的に・漏れなく・現実的に書くことに尽きます。立派な言葉を並べるより、自社の実情に合った計画の方が通りやすく、その後の運用にもつながります。
まとめ
事業継続力強化計画の対象は、中小企業等経営強化法上の中小企業者に当たる会社や個人事業主などです。個人事業主も対象ですが開業届が必要で、法人は設立登記が前提です。認定計画の実施期間は最長3年、申請は原則電子申請で、GビズIDプライムの取得と約45日の審査期間を見込む必要があります。審査では、自社の役割やリスクの書き込み不足、空欄、実態とかけ離れた計画に注意が必要です。
ご相談をご検討の方へ
「自社が対象になるのか分からない」
「どこまで具体的に書けばよいか迷う」
「補助金や設備投資の時期に間に合わせたい」
このような場合は、対象確認、計画の骨子整理、電子申請準備まで一緒に整理すると進めやすいです。
ジギョケイは、対象かどうかの確認よりも、実情に合った計画に落とし込めるかで差が出ます。
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