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質問:ジギョケイってどんな制度?根拠法令と認定制度の基本を教えてください。

回答

事業継続力強化計画とは、中小企業が自然災害等に備えて行う防災・減災の事前対策を計画化し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。根拠法令は中小企業等経営強化法で、実務上は中小企業庁が公表する制度概要、策定の手引き、作成指針、申請案内に沿って進めます。認定は単独型連携型があり、申請は原則として電子申請です。計画の実施期間の上限は3年で、認定後はその内容に沿って取組を実行していきます。

解説

事業継続力強化計画とは何か

事業継続力強化計画は、中小企業が自然災害などによって事業が止まるリスクに備え、あらかじめ必要な対策を整理しておくための認定制度です。中小企業庁の制度概要では、これは「中小企業が行う防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度」と整理されています。

ここで大切なのは、単なる防災マニュアルではないという点です。
計画では、災害等のリスク確認、発災時の初動対応、ヒト・モノ・カネ・情報への対策、平時の推進体制、訓練や見直しまでを検討します。つまり、「被災したらどうするか」ではなく、「被災しても会社を止めにくくするにはどうするか」を整理する制度です。

たとえるなら、これは会社版の「非常持出袋」を作る作業に近いです。
持出袋そのものが目的ではなく、いざというときに慌てない準備を平時にしておくことが本質です。事業継続力強化計画も同じで、認定証を取ることだけが目的ではなく、実際に事業を守る備えを形にすることに意味があります。


根拠法令は何か

この制度の根拠法令は、中小企業等経営強化法です。中小企業庁が公表している最新の「策定の手引き」自体も、表紙に「中小企業等経営強化法―事業継続力強化計画」と明記しています。

また、制度概要資料では、認定対象となる「中小企業者」の考え方について、中小企業等経営強化法第2条第1項の定義を基礎に整理しています。業種ごとに資本金額または従業員数の基準が示されており、個人事業主や会社だけでなく、一定の組合等も対象に含まれます。

さらに実務では、法律だけを見れば足りるわけではありません。中小企業庁の制度概要資料では、計画作成に当たり「基本方針、作成指針、策定の手引き」を参照するよう案内されています。つまり、ブログや相談実務で押さえるべき「根拠」は、次の3層で理解すると分かりやすいです。

  • 法律上の根拠:中小企業等経営強化法
  • 実務上の基準:基本方針・作成指針
  • 申請実務の具体化資料:制度概要、策定の手引き、申請案内

この整理をしておくと、読者に対しても「法律に基づく制度でありつつ、実際の作成は中小企業庁の手引きに沿って進める」と、分かりやすく説明できます。


制度の目的は何か

制度の目的は、単に各社の自助努力を促すことだけではありません。策定の手引きでは、事業継続力強化の目的を記載する際、自社の取組が自然災害等による経済社会的な影響の軽減に資する観点を踏まえるよう示されています。また、自社の役割、サプライチェーンや地域経済全体への影響、従業員に対する責務なども意識することが求められています。

要するに、この制度は「自社だけ守ればいい」という発想ではありません。
従業員、顧客、取引先、地域経済への影響を小さくするために、平時から備える制度だと理解すると、本質がつかみやすいです。


誰が認定を受けられるのか

認定対象は、法の定義に沿う中小企業者です。制度概要では、製造業その他、卸売業、小売業、サービス業などについて、資本金額または常時使用する従業員数の基準が示されています。また、個人事業主、会社、企業組合、協業組合、事業協同組合等も対象になり得ます。個人事業主は開業届の提出、法人は設立登記が必要です。

ここは読者が誤解しやすい部分です。
「法人しか使えない制度ではないか」と思われがちですが、要件を満たせば個人事業主も対象です。他方で、支援措置の内容によっては、認定を受けられるすべての事業者がそのまま優遇対象になるわけではないため、この点は切り分けて説明するのが実務的です。


認定制度の基本構造

認定制度には、単独型連携型があります。単独型は自社のみで計画する場合、連携型は複数事業者と連携して計画する場合です。制度概要資料でも、この2類型をまず選ぶよう案内されています。

また、計画の実施期間の上限は3年です。認定後はそこで終わりではなく、認定を受けた計画に基づいて取組を実行し、必要に応じて見直しや再申請を検討する流れになります。中小企業庁は、実施期間中の変更申請や、認定期間終了後の2回目申請の仕組みも案内しています。

つまり、この制度は「一度認定を取って終わり」ではなく、
作る → 認定を受ける → 実行する → 見直す
という循環で運用する制度です。


計画には何を書くのか

策定の手引きによると、計画作成では主に次の5つの検討を行います。
①計画策定の目的、②災害等のリスク確認・影響想定、③発災時の初動対応、④ヒト・モノ・カネ・情報への事前対策・事後対応、⑤平時の推進体制・訓練・見直し方法です。

この5つを見ると、単なる抽象論ではないことが分かります。
「危ないかもしれない」で終わらせず、どこにリスクがあるか、被災したら誰が何をするか、復旧資金はどう確保するか、訓練や見直しをどう回すかまで考える設計です。


申請方法の基本

現在、初回申請は単独型・連携型ともに原則電子申請です。中小企業庁の申請案内では、事業継続力強化計画電子申請システムから申請するよう示されており、GビズIDが必要です。GビズIDの取得には一定の期間がかかるため、申請準備では早めの取得が重要です。

また、制度概要資料では、審査の標準処理期間は45日とされています。認定を受けた場合は認定通知書が交付され、事業者名等が中小企業庁のホームページで公表されます。

ここは受任導線にもつながるポイントです。
制度自体は取り組みやすい一方で、実務では「何をどう書くか」「電子申請の準備をどう進めるか」で手が止まりやすいです。特に、GビズIDや申請区分、変更申請・再申請の考え方は、最初に整理しておくとスムーズです。

「GビズID」についてはこちらの記事をお読みください。


まとめ

事業継続力強化計画は、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業の防災・減災の事前対策を計画化して認定を受ける制度です。実務上は、中小企業庁が公表する制度概要、作成指針、策定の手引き、申請案内に沿って進めます。認定制度の基本は、単独型・連携型、実施期間は最長3年、原則電子申請、認定後は実行と見直しまで含めて運用するという点にあります。


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