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認証申請に続き、今回は本体である「防衛事業適合事業者契約」の申込み手続と提出書類です。書類のセットは
①既に秘密を取り扱っているか
②新たに取り扱うのか
③秘密ではなく保護すべき情報か
以上の3パターンで変わります。自社がどれに当たるか(第3回参照)を確認しながらお読みください。

申込みの流れ

契約申込書等は、認証申請と同様、地方防衛局(調達部長等)を経由して防衛装備庁長官に提出します(訓令第12条)。装備政策部長が情報保全基準に照らして審査し、新たに秘密を取り扱う事業者には現地調査が行われます。基準を満たすと認められれば審査結果通知書が交付され、防衛事業適合事業者契約(契約期間5年)を締結します(第13条)。

基本の提出書類(秘密を取り扱う契約)

 区分 具体的な書類
 ① 契約申込書 防衛事業適合事業者契約申込書
② 関係書類総括者の指名基準を満たすことを証明する書類
保全の責任者の役職・役割を明記した書類
会社全体及び防衛部門の組織編成図
点検票(保全組織の体制)の回答内容を証明する書類保全規則案、懲戒手続等が規定された社内規則
教育実施計画、教育テキスト
直近の保全教育の実施状況
施設の構造図・カタログ等、建築(改修)中の写真※
秘密取扱情報システム体制
システムセキュリティ実装計画※
(※は保有する事業者のみ)
 ③ 保全基準兼点検票 付紙様式第1-1(保全組織)〜第1-4(秘密保全施設)
第1-5(秘密取扱情報システム体制)※保有者のみ
④ 契約変更承諾申請書履行中の契約がある場合:「防衛事業適合事業者契約を締結する場合における履行中の秘密情報等の保全に関する特約条項の変更について(申請)」

認証申請との最大の違いは、秘密取扱情報システム関係(様式第1-5、システムセキュリティ実装計画)が契約段階で必要になることです。システムを保有する事業者は、SSP(システムセキュリティ実装計画)の作成に時間がかかるため、早めの着手が肝心です。

④契約変更承諾申請書の意味──履行中の契約を「載せ替える」

既に防衛装備庁との契約を履行中の事業者が契約変更承諾申請書を提出すると、履行中の契約に付帯している保全関係の特約条項を、防衛事業適合事業者契約の契約条項にまとめて変更(載せ替え)できます。これにより、既存契約も新契約も一つの保全の傘の下に統一され、二重管理が解消されます。

既に秘密を取り扱っている事業者の簡素化

現に秘密を取り扱うことのできる事業者が令和9年6月30日までに申し込む場合、関係書類・点検票の大部分に代えて過去の確認通知の写しで足り、申込み時の現地調査も省略されます。さらに、認証申請から3か月を経過していない場合は、認証申請と重複する基本書類(組織図・役員等名簿・総括者関係・点検票の証明書類等)の提出が不要になります。認証事業者であれば契約変更承諾申請書に係る一部書類も不要です。認証と契約を同時に、または連続して申し込むのが最も効率的な段取りです(実施要領第5は同時申込みを明文で認めています)。

保護すべき情報を取り扱う契約の場合

秘密ではなく「保護すべき情報」を取り扱う事業者の申込みでは、書類のセットが変わります。

  • 防衛事業適合事業者契約申込書
  • 情報セキュリティ基本方針等(基本方針・規則・実施手順)の写し
  • システムセキュリティ実装計画書(SSP)の写し
  • 上記に係る防衛省からの確認通知の写し
  • 直近の情報セキュリティ実地監査の結果通知の写し(指摘事項がある場合は是正措置・改善状況を証する書類)
  • 履行中の契約がある場合は契約変更承諾申請書

情報セキュリティ基準への適合を証明する既存の書類が中心で、現地調査を経て契約締結(5年間)という流れは秘密の場合と同様です。保護すべき情報(注意情報)を取り扱う事業者は、情報セキュリティ基準に適合していることを証明する書類の提出が求められる、と整理しておけばよいでしょう。

窓口となる「地方防衛局調達部長等」

書類の提出先である地方防衛局調達部長等とは、北海道防衛局調達部長、北関東防衛局装備部長、南関東防衛局調達部長、近畿中部防衛局調達部長、中国四国防衛局調達部長、沖縄防衛局調達部長のほか、東海防衛支局長、長崎防衛支局長、および郡山・宇都宮・舞鶴・岐阜・玉野の各防衛事務所長を指します(実施要領第2)。自社の所在地を管轄する窓口を確認し、書類の事前相談から始めるのが実務の定石です。地方防衛局は提出書類の充足と内容を確認したうえで受理・進達する立場ですから、事前のすり合わせが審査全体のスピードを左右します。

契約締結後の個別調達との接続

防衛事業適合事業者契約を締結すると、秘密を取り扱う個別の調達契約(秘密取扱原因契約)は、この契約の傘の下で履行されます。防衛装備庁側では、装備保全管理課長が中央調達・地方調達の契約担当官等の協力を得て、防衛事業適合事業者との秘密取扱原因契約のリストを定期的に取りまとめ、地方防衛局に提供する運用が定められており、事業者側もその内容の適否確認に協力します。また、防衛事業適合事業者への特別防衛秘密・装備品等秘密・特定秘密を取り扱う業務の委託は、関係訓令上の承認・許可をあらかじめ得たものとして扱われます。契約を結んでおくことで、個別案件のたびに必要だった手続が省略される──これが「常続的な保全契約」の実利です。

段取りのモデルケース

既に秘密を取り扱っている事業者なら
①管轄の地方防衛局に事前相談
②過去の確認通知の写しと保全組織関係書類を整理
③認証申請と契約申込みを同時に(又は3か月以内に連続して)提出
④契約変更承諾申請書で履行中の契約の特約を載せ替え
という流れが最も効率的です。新規に体制を作る事業者は、総括者の選定と保全規則案の作成に最も時間がかかるため、そこから逆算した工程を組んでください。次回は、締結する契約条項そのものの中身を読み解きます。

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【出典】防衛事業適合事業者制度等に関する訓令(令和7年防衛装備庁訓令第19号)、同訓令の実施要領(装装保第14846号)、防衛事業適合事業者制度(概要)、認証申請・防衛事業適合事業者契約の申込みに係る提出資料について(2026年3月・装備政策部装備保全管理課)ほか防衛装備庁公表資料。本記事は執筆時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の申請に当たっては最新の公示・様式をご確認ください。