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今回から2回にわたり、実務の本丸である「手続と提出書類」を解説します。まずは認証申請です。どこに、何を、どう出すのか。そして既に秘密を取り扱っている事業者に用意された簡素化の特例まで、一気に整理します。

申請の流れ──窓口は地方防衛局

認証申請書等は、管轄の地方防衛局(調達部長等)を経由して防衛装備庁長官に提出します(訓令第5条)。地方防衛局が書類の充足と内容を確認して受理・進達し、装備政策部(装備保全管理課)が秘密保全基準に照らして審査します。審査に当たっては、地方防衛局の協力による現地調査が行われます(第6条第2項)。

  • ① 認証申請(地方防衛局経由で防衛装備庁長官へ)
  • ② 書類審査+現地調査(秘密保全体制の確認)
  • ③ 秘密保全基準を満たしている場合:認証通知書の交付
  • ④ 認証証明書・認証マーク(希望により認証盾)の交付

提出書類の全体像

認証申請の提出書類は、大きく3つのかたまりで構成されます。

 区分 具体的な書類
 ① 認証申請書 秘密保全体制認証申請書(付紙様式第2)
② 関係書類保全体制及び社内位置付
保全の責任者の役職・役割を明記した書類
会社全体及び防衛部門の組織編成図
役員等名簿
総括者(指名基準1〜3から選択)の証明書類
点検票(保全組織)の回答内容を証明する書類
保全規則案、懲戒手続等が規定された社内規則
教育実施計画、教育テキスト
直近の保全教育の実施状況
施設の構造図(設計図)・カタログ等
建築(改修)中の写真
 ③ 保全基準兼点検票 付紙様式第1-1(保全組織)
第1-2(秘密保全規則)
第1-3(教育の体制)
第1-4(秘密保全施設)

前回触れたとおり、秘密取扱情報システムに関する資料(様式第1-5等)は認証申請では不要で、契約申込みの際に提出します。

審査結果はどう通知されるか

審査の結果は、審査結果の通知(付紙様式第3)として交付されます。認証される場合は、審査結果の通知に代えて認証通知書(付紙様式第4)が交付され、続いて認証証明書(付紙様式第5)が交付されます。認証証明書の認証番号は「[事業者番号]-[延長回数]号」と表記され、初回認証の延長回数は0です。証明書の事業者名は、希望により事業所名で表記できます。また、認証マーク(付紙様式第6)の使用が認められ、認証盾の交付を受けられる場合もあります(実施要領第6)。

既に秘密を取り扱っている事業者は大幅に簡素化

現に秘密を取り扱うことのできる事業者が、施行日から2年を経過する日(令和9年6月30日)までに申請する場合、提出書類は大幅に簡素になります。具体的には、関係書類・点検票の大部分に代えて、過去の確認通知(保全組織、秘密保全規則、教育の体制、秘密保全施設)の写しを提出すればよく、保全組織関係の基本書類(組織図、役員等名簿、総括者関係、様式第1-1等)を添える形になります。さらに、認証申請時の現地調査は省略されます。

旧制度下で積み上げてきた保全実績が、そのまま移行の「パスポート」になるイメージです。この特例が使えるかどうかで準備工数がまったく違いますから、期限内の申請を強くお勧めします。

地方防衛局は「精査」する──書類の質が問われる

実施要領第5は、地方防衛局調達部長等が提出書類の充足と内容を確認したうえで進達し、その際、保全基準兼点検票(様式第1-1〜1-4)の内容を精査すると定めています。点検票は自己申告のチェックリストですが、回答内容を証明する書類との突合が行われる前提で作り込む必要があるということです。点検票の回答と関係書類(組織図、規則、教育記録、施設図面)の間に食い違いがあれば、差戻しや補正で時間を失います。また、既に防衛事業適合事業者である事業者が認証を申請する場合は、認証申請書(様式第2)のみの提出で足り、現地調査も省略できるとされています。逆方向の「契約から認証へ」の後追い取得も軽い手続でできる設計です。

認証後も「1年ごと」の継続的確認がある

認証を受けた後は、認証の日から1年ごとに、自己点検申告書(付紙様式第7)と保全基準兼点検票(様式第1-1〜1-4)を地方防衛局経由で提出し、あわせて保全検査を受けます(実施要領第7)。なお、認証事業者が既に防衛事業適合事業者である場合は、この提出・検査は省略できることとされています。

また、認証を受けた秘密保全体制を変更する場合は変更の申請が必要です(訓令第10条)。ただし、事業者名や本社所在地の変更など保全基準の要件に影響しないことが明らかな変更は、届出で足ります(実施要領第9)。

5年後の延長申請も見据えておく

認証の有効期間は5年ですが、満了日の6か月前から3か月前までの間に延長申請をすれば、審査を経て繰り返し延長できます(訓令第11条)。延長申請では、申請書(付紙様式第10)に加えて保全基準兼点検票(様式第1-1〜1-4)と関係書類を提出するのが原則ですが、防衛事業適合事業者である認証事業者は申請書のみで足り、現地調査も省略できます(実施要領第9)。ここでも「認証+契約」を両方持っていることが手続の軽さにつながります。申請窓口となる期間が3か月間に限られている点は、期日管理上の要注意ポイントです。

経過措置利用者への注意

経過措置を利用して認証を受けた事業者については、本制度で新たに付加された基準は令和9年4月1日以降に適用されます。移行時は旧基準の水準で認証を受けられても、その後は新基準への引上げが必要になるということです。設備・規程・教育の改修計画を、いまから予算に織り込んでおきましょう。次回は、防衛事業適合事業者契約の申込み手続と提出書類を解説します。

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【出典】防衛事業適合事業者制度等に関する訓令(令和7年防衛装備庁訓令第19号)、同訓令の実施要領(装装保第14846号)、防衛事業適合事業者制度(概要)、認証申請・防衛事業適合事業者契約の申込みに係る提出資料について(2026年3月・装備政策部装備保全管理課)ほか防衛装備庁公表資料。本記事は執筆時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の申請に当たっては最新の公示・様式をご確認ください。