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第4回は実務編です。自衛隊の施設(対象防衛関係施設)の敷地やその周辺地域の上空でドローン等を飛ばすには、どんな手続を、いつまでに、誰に対して行えばよいのか。防衛省令(施行規則)と防衛省の手続資料に基づいて、具体的に解説します。
手続の全体像:場所によって2パターン
手続は、飛行させる場所が「施設の敷地又は区域の上空」なのか、「その周囲おおむね1000m(施行前は300m)の地域の上空」なのかで変わります。
| 場所 | 管理者の同意 | 事前の通報 |
| 敷地又は区域の上空 | 全員必要(10営業日前までに申請) | 必要(48時間前まで) |
| 周囲おおむね1000mの地域の上空 | 土地所有者・占有者等、国・地方公共団体は不要。それ以外の者は必要 | 必要(48時間前まで) |
ここで押さえてほしいのは、「どの立場の人でも、事前の通報だけは必ず必要」ということです。同意が不要な土地所有者の方も、通報を省略することはできません。
ステップ1:管理者への同意の申請(10営業日前まで)
施設の敷地又は区域の上空で飛ばす場合は、必ず対象防衛関係施設の管理者の同意が必要です。飛行を行う10営業日前までに同意の申請を行い、同意を証する書面の交付を受けます。申請書の様式は、防衛省ホームページの「申請書の様式一覧」からWordファイルでダウンロードできます。
周辺地域の上空のみで飛ばす場合は、土地の所有者・占有者(正当な権原を有する者に限る)又はその同意を得た方、国又は地方公共団体の業務として飛行させる方であれば、管理者の同意は不要です。それ以外の方は、周辺地域であっても管理者の同意が必要になります。
期限が「10日前」ではなく「10営業日前」である点にも注意してください。土日祝日を挟むと、暦の上では2週間以上前に申請しなければ間に合わないこともあります。
ステップ2:事前の通報(48時間前まで)
同意の有無にかかわらず、飛行を開始する48時間前までに、所定の様式の通報書を次の窓口に提出します。
- 対象防衛関係施設の管理者
- 対象施設周辺地域を管轄する警察署(都道府県公安委員会への通報として)
- 海上保安本部等(対象施設周辺地域に海域が含まれる場合のみ。管区海上保安監部、海上保安部又は海上保安航空基地)
通報の際は、それぞれの提出先に実際に飛行させる機体を提示する必要があります。提示が難しい場合は、機体の写真の提出で足ります。また、土地所有者・占有者の同意を得て飛ばす方はその同意を証する書面の写しを、国・地方公共団体の委託を受けて飛ばす方はそれを証明する書面の写しを、あわせて提出します。
通報書の様式は防衛省ホームページの「通報書の様式一覧」に掲載されているほか、対象防衛関係施設、警察署、海上保安本部等の窓口でも入手できます。具体的にどの施設・警察署・海上保安本部等が窓口になるかは、防衛省、各都道府県警察、国土交通省のホームページで確認できます。
通報書に記載する事項
施行規則(令和元年防衛省令第3号)第2条・第3条では、通報書(別記様式第1号)の記載事項として次の8項目が定められています。
- 小型無人機等の飛行を行う日時
- 飛行を行う目的
- 飛行に係る対象施設周辺地域内の区域
- 飛行させる者の氏名、生年月日、住所及び電話番号
- 勤務先の名称、所在地及び電話番号(勤務先の業務として飛行を行う場合)
- 船舶の名称・船舶番号等・船種・船籍港・総トン数及び連絡手段(船舶に乗って飛行を行う場合)
- 機器の種類及び特徴(製造者、名称、製造番号、色、大きさ、積載物その他の特徴)
- 機器の登録記号(航空法により通知された登録記号)
国又は地方公共団体の業務として飛行させる公務操縦者は、別記様式第2号の通報書を用い、委託を受けている場合は委託を証明する書面の写しも提出します(施行規則第4条)。様式はいずれも防衛省ホームページからダウンロードできます。
管理者への通報が不要になるケース
施行規則には、二重の手間を省く「みなし通報」の仕組みがあります。管理者の同意を得る際に、上記の記載事項を書面で管理者に提出していた場合には、管理者への通報があったものとみなされ、改めて通報する必要はありません。また、対象施設の管理者自身が飛行を行う場合も同様です。
ただし不要になるのは「管理者への通報」だけです。警察署(や海域を含む場合の海上保安本部等)への通報は、この場合でも必要なので注意してください。
災害などの緊急時は口頭でOK
災害その他緊急やむを得ない場合には、飛行開始の直前までに、対象施設の管理者に口頭で通報すれば足りるとされています(施行規則第5条)。ただしこの場合でも、施設の敷地又は区域の上空を飛ばすのであれば、飛行に先立って管理者の同意を得ておく必要がある点に注意が必要です。
施行直後だけの特例(令和8年7月14日〜16日)
通常、同意の申請は10営業日前までですが、今回の改正で新たに禁止エリアとなった部分(拡大部分)に限り、令和8年7月14日から16日までの間の飛行に係る申請は「7営業日前まで」とする特例が防衛省から案内されています。施行直後に拡大エリアで飛行予定のある方は、この特例期限も踏まえて早めに動きましょう。
まとめと次回予告
- 敷地・区域の上空は「同意(10営業日前まで)+通報(48時間前まで)」が原則
- 周辺地域の上空は、土地所有者等・国・地方公共団体なら同意不要だが、通報は必要
- 通報先は施設管理者・警察署・(海域を含む場合)海上保安本部等の最大3か所。機体の提示(又は写真)も忘れずに
- 緊急時は直前の口頭通報で足りるが、敷地上空の飛行には事前の同意が必要
最終回・第5回は、在日米軍施設の場合の手続と、対象特別要人所在施設など今回の改正のその他のポイント、そして連載全体のまとめをお届けします。
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出典・根拠資料
- 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第47号)本文
- 防衛省関係重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行規則(令和元年防衛省令第3号)
- 防衛省ホームページ「小型無人機等飛行禁止法関係」(令和8年7月3日更新)https://www.mod.go.jp/j/presiding/law/drone/index.html
本記事は上記の公表資料に基づく一般的な解説であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。実際に飛行を計画される際は、必ず最新の告示・防衛省等の公式情報をご確認ください。