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様式1-1/1-2・営業所一覧表・業態調書・添付書類を実務目線で
本シリーズは、防衛省の建設工事の競争参加資格を全7回で解説するものです。いま取り上げる理由は2つ。令和8年度(2026年度)予算で「施設の強靱化」が契約ベースで約9,000億円(前年度比+約2,000億円)に拡大し、基地・駐屯地の工事発注が増えていること(現実的視点)。そして安保3文書のGDP比2%前倒しと2026年中の改定により、施設整備予算が中長期で高止まり〜拡大が見込まれること(先見的視点)。資格取得には時間がかかるため、いま準備する価値があります。
第5回は、申請の山場である「書類の作成」です。様式が多く、記載要領も細かいため、ここでつまずく事業者が少なくありません。随時受付を例に、提出書類を1枚ずつ、ポイントを押さえて解説します。
前提として、提出部数は正本1部です。書類は決められた順序(様式1-1・1-2 → 営業所一覧表 → 業態調書 → 総合評定値通知書の写し → 納税証明書の写し → 委任状)に並べ、郵送の場合は受付通知票と返信用封筒を添えて提出します。様式類は防衛省・自衛隊のホームページからダウンロードできます。まずは最新の様式を入手し、記載要領を読みながら埋めていくのが基本動作です。
1. 提出書類の全体像
随時受付で提出する書類は、次の順序にそろえて提出します。様式が定められているものは、所定の様式で作成します。
| 書類 | ポイント |
| 様式1-1・1-2(参加資格審査申請書) | 会社情報・希望工種・希望部局を記載するメイン書類 |
| 様式2(営業所一覧表) | 経審を受けた許可業種を持つ本店・支店を記載 |
| 業態調書 | 防衛省離職者(一定階級以上)の在籍有無を申告 |
| 総合評定値通知書の写し | 経審の結果。社会保険の加入状況も要件 |
| 納税証明書の写し(その3 等) | 消費税・地方消費税等に未納がないことの証明 |
| 委任状 | 行政書士等が代理申請する場合のみ |
| 受付通知票・返信用封筒 | 郵送方式の場合に同封 |
2. 様式1-1(申請書の本体)
会社の基本情報を記載する中心的な書類です。法人の場合は本店(本社)で作成し、代表者は本店の代表者となります。記載でつまずきやすい主な欄は次のとおりです。
- 新規・更新の別:初めて防衛省に登録するなら「新規」、過去に防衛省・防衛施設庁・装備施設本部の審査を受けたことがあれば「更新」
- 業者コード(登録番号):更新の方は過去の結果通知書の登録番号(ハイフン有10桁)を記載。これを書き忘れると過去の工事成績が引き継がれません
- 建設業許可番号:記入漏れが多い欄。総合評定値通知書から8桁を転記。許可の変更があれば変更後の番号を記載
- 本社住所・郵便番号:建設業許可上の「主たる営業所」を左詰めで記載
- 法人番号:国税庁から指定される13桁を記載
3. 様式1-2(希望工種と完成工事高)
実際に参加したい工事と地域を選ぶ、戦略的に重要な様式です。記載漏れが特に多い欄なので注意してください。
- 競争参加資格希望工種区分:参加を希望する工事種別に○印。希望できるのは、対応する建設業許可があり、かつ経審を受けている工種に限られます
- 年間平均完成工事高:選んだ工種の金額を総合評定値通知書から転記。実績がなくても許可と経審があれば「0」で希望可能
- 申請を希望する部局:希望工種ごとに、参加したい地方防衛局等を選択。選べる部局は営業所一覧表(様式2)で選んだ営業区域に対応するものに限られます
4. 様式2(営業所一覧表)
本店と支店を記載します。最初に本店を記載し、以降の営業所を連番で記載します。記載するのは「経審を受けた建設業許可業種を有するすべての営業所」です。建設業許可があっても経審を受けていない業種には○印を付さない点に注意してください。各営業所の営業区域に対応する地方防衛局等にも○印を付し、これが様式1-2で選べる希望部局の前提になります。
5. 業態調書(防衛省離職者の申告)
過去5年間のいずれかの時期における、一定階級以上の防衛省離職者(行政職俸給表(一)7級2種以上の事務官、または1佐(三)2種以上の自衛官)の在籍の有無を申告する書類です。該当者がいなければ「無」にチェックします。退職自衛官を雇用している企業は、該当の有無を正確に確認しておきましょう。
6. 添付書類(総合評定値通知書・納税証明書・委任状)
- 総合評定値通知書の写し:経営状況(Y)と総合評定値(P)の記載があるもの。「経営規模等評価通知書」では受け付けられません
- 納税証明書の写し:法人なら「その3の3」、個人なら「その3の2」などを使用。証明日が申請日から3か月以内のものに限ります
- 委任状:行政書士等が代理申請する場合のみ。日付が申請日から3か月以内、委任の範囲が具体的、受任者が行政書士なら登録番号の記載が必要
なお、行政書士による「申請の代行」と「申請の代理」は別概念です。代行は申請書の作成・提出を本人に代わって行うもの(申請者は本人)で、代理は代理権の授与を受けて代理人として申請するもの(申請代理人欄への記名と委任状が必要)です。
7. まとめ
書類作成は、様式1-1・1-2で会社情報と希望工種を、様式2で営業所と営業区域を、業態調書で離職者を申告し、総合評定値通知書・納税証明書を添付する、という流れです。記載要領は細かく、登録番号の書き忘れや許可番号の記入漏れといった「もったいないミス」が起こりがちです。本業が忙しい中で完璧に仕上げるのが難しい場合は、入札資格に詳しい行政書士に作成代行・代理を依頼するのも有効な選択肢です。
次回(第6回)は、提出した書類がどう評価されるのか——審査と格付(ランク)の仕組みを解説します。
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出典:防衛省「令和7・8年度 防衛省所管における建設工事 競争参加資格審査申請書提出要領」、防衛省・自衛隊公式サイト、財務省「令和8年度防衛関係予算のポイント」ほか。
※本記事は令和7・8年度(2025〜2026年度)の制度・予算内容に基づきます。受付期間・様式・金額は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。